私たちについて
現在、世界の人口は70億人を超え、増加の一途をたどっています。この人口動態の変化は、BRICS諸国のような経済発展の進展とともに反映され、何百万もの人々が少しずつ貧困から抜け出すことを可能にしてきました。
しかし、極度の貧困が日々減少している一方で、世界的な格差は拡大し続けています。富を持続的に蓄積できるのは世界の一部の地域に限られ、富裕層と貧困層の格差がさらに広がっています。社会の中で最も貧しく脆弱な人々は依然として苦しんでおり、経済成長の恩恵を十分に受けることができていません。
このように世界が成長と同時に抱える問題が大きくなる中、日本や海外の多くの若者が国際開発に強い関心を寄せ、世界の動向を理解し、自らの声を反映させようと、国際開発に携わるようになっています。しかし、実際はそのような若者が互いに交流し、長期的なネットワークを構築する機会は限られています。
このような状況を踏まえ、国際開発に強い関心を持つ若者たちが互いに出会い、各国の開発問題について学び、そして意見を交換し、グローバル社会の構築に向けて共に努力する場所となるよう、私たちは2012年にInternational Development Youth Forumを設立しました。
私たちはまた1週間の会議に留まらず、強い意志を持った若者たちがそれぞれのコミュニティで、IDYFで得た経験や新たな知見を国際開発の解決策へとつなげていくための長期的なネットワークを確立することを目指しています。
活動使命
Design Our Future
私たちの目標は、世界中の若者たちの多様な価値観と経験を基に、国際開発を通じてより良い未来を創造することです。
私たちは公平で持続可能な未来を築くリーダーへと育成するため、議論や問題解決、さまざまな背景を持つ仲間とのネットワークを提供します。
活動目的
(1) 国際開発に関しユースが自らの価値観、知識、考え方を広げる契機を生み出す
私たちは当事者をはじめとする様々なアクターのリアルな視点を知る場、多様な価値観を持つユース同士の議論の場を提供します。
(2) 国際開発の発展に寄与するイノベーティブなアイデアを創出する
私たちは世界中のユースの持つ多様なバックグラウンドと、ユースの強みである枠にとらわれない発想を掛け合わせ、イノベーティブな発想の生まれる場を形成します。
(3) 国際開発に関心のある世界中のユースが協働する持続的なネットワークを構築し、グローバル課題の解決に貢献する
私たちは持続的かつ多様なユース同士のつながりを強化し、国際開発に関心のある世界中のユース同士で交流し、共通課題に向けた協働の場を育みます。
アドバイザーのメッセージ
このメッセージの冒頭にまずお伝えしなければならないのは、このフォーラムの元アドバイザーであった東京大学の故・不破信彦教授が、2018年に突然、早すぎる死を遂げられたという事実です。
不破さんは、私にとって最も親しい友人の一人であり、35年以上にわたり非常に尊敬される学者であり教育者でもありました。今でも彼を失った悲しみを乗り越えられずにいますが、開発経済学の研究者の一人として、このフォーラムを支援するという彼の役割を引き継ぐことができ、とても光栄に思います。
不破さんが以前のメッセージで述べられていたように、大学生活の日々は非常に貴重だという点に、私も同意します。それは、人生の意味や価値、世界にどう貢献できるか、そして同時にどのように幸せになれるかについて、時間の制約をあまり気にせず議論し、意見を交わすことができるからです。これらの重要なテーマについて議論するための材料を豊かにするには、自己の既成概念や利害を超えて、世界中のあらゆる人々と交流することが非常に貴重であり、そのような交流が私たちの人生における大きな財産となるでしょう。
最近の世界の動向を見ていると、自由で開かれたグローバル社会から、100年前のような自己利益に基づく狭量な社会に後退しているように思えますが、このフォーラムがそのようなネガティブなイメージを吹き飛ばし、議論を再び自由で開かれたグローバル社会へと向ける助けになることを願っています。
最後に、親友である不破さんの言葉を繰り返さざるを得ません。
「人生の残りの時間、世界中に散らばるそんな友人たちがいるなんて、なんて素晴らしいことでしょう!もし私が大学生だった30年前にIDYFが存在していたなら、迷わず参加していたことでしょう!」
藤村学
青山学院大学 教授(開発経済学)
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